高断熱・高気密住宅は、目に触れない壁の中の施工を丁寧にすることで性能が維持されますが、手を抜くと 気密試験での数値で明確に欠陥が表れます。高断熱・高気密工法の基本は、冬は屋内の熱を逃がさず、夏は屋内の熱の侵入を抑えることです。
この場合の注意点は、
1.断熱層を切れ目なく連続させて、設計施工する。
2.気密層も切れ目なく連続させて、設計・施工する。
3.断熱性能も気密性能もバランスが大切です。
どこかでだけ突出して性能をよくしても無駄。弱点をつくると、結露の原因となるので禁物。
4.断熱性能を上げれば上げるほど、内外の温度差が大きくなり、その結果、結露ができやすくなります。気密性能も一緒に上げてやりましょう。
5.従来の家の熱性能上の弱点は開口部です。窓とドアにも注意が必要です。
6.換気は24時間計画換気。余裕を見込んだ換気計画にして強弱を使い分け、1年目は省エネ上ロスがでても、強運転を続けましょう。間違っても換気は止めない。
7.家の中にクリーンゾーンからダーティーゾーン一定方向に必要なだけの通気の流れを常に確保し、これにのせて、家の中の換気を図る。暖冷房については、地域性・経済性・好みで結論が違ってくるでしょうが、設備機器の寿命は7年~15年です。
8.暖冷房機器は、定期点検しやすいようにし、メンテナンスはできるだけマメにしましょう。ダクト式はダクトも家の壁・天井・床下を通す場合は、掃除できるスペースをとれるようにできれば理想的です。
9.内外装にとくに内装に室内汚染物質をだすものは使わない。やむをえない時は、極力低濃度のものにし、換気をきちんと取りましょう。
10.住宅の床下・小屋裏・壁体内を通った空気が、室内に入ってくる方式の家の場合は、そのルートにも室内汚染の発生源がないかをチェック。あれば取り除きましょう。